1921年から1944年まで東京で発行された、三曲(地歌・箏曲・尺八・胡弓の音楽の総称)専門家と愛好者のための雑誌でした。
編集主幹は、尺八師範の藤田鈴朗(本名:藤田俊一)でした。本誌には、三曲師匠の芸談や論評、研究者による寄稿、藤田による多種の記事が掲載され、時には楽譜が載ることもありました。各号の末尾には、演奏会の予告や報告、演奏家の活動が詳細に分かる彙報欄が設けられ、当時の三曲界の動向が活き活きと写し出された、内容充実の雑誌でした。読者は北海道から九州に及び、外地と呼ばれる日本の植民地(朝鮮、台湾など)でも購読されていた形跡があります。