三曲の中心は三味線

三曲は、合奏の形で演奏されることが多い音楽ジャンルです。

 

地歌の三味線、箏曲の箏、尺八の3種類の楽器で合奏することもありますし、三味線と箏だけということもあります。

合奏が多いですが、かならずしも合奏でなくても良いので、箏による《六段の調》の独奏も三曲に含まれます。

 

でも、三曲合奏の成り立ちを考えると、やはり中心となるのは三味線だと思います。

三味線で演奏する地歌の曲が初めに作られ、それに箏や尺八を加えていって合奏が成り立っているからです。

もちろん、《六段の調》の箏と尺八の合奏などというのもありますから、三味線がないこともありますし、そもそも地歌の曲ではないこともあるのですが。

 

いろいろ考えると複雑になってしまいますね。でも、シンプルにとらえるのであれば、地歌を中心に広がった合奏の輪を「三曲」と呼びならわすようになり、その後、その輪に含まれる箏曲や尺八の音楽ジャンル全体が包括されるようになったという経緯ではないかと思われます。